「秋に関西でキジハタを釣ってみたいけど、どこでどう狙えばいいの?」そんな疑問を持つ方も多いでしょう。実はキジハタ(アコウ)は秋こそ絶好のシーズン!産卵後で活性が高く、堤防や磯からでも狙えるため、初心者にも十分チャンスがあります。本記事では、秋の関西でキジハタを狙う際のポイント選び・ルアー・釣り方のコツをわかりやすく解説します。安全対策も押さえつつ、秋のロックフィッシュゲームで憧れのキジハタを手にしましょう。それでは、秋のキジハタ攻略法を詳しく見ていきましょう!
なぜ秋はキジハタ釣りのベストシーズンなのか
秋がキジハタ釣りに最適といわれるのはなぜでしょうか?その理由を押さえておけば、より効果的に魚を狙うことができます。
まず、秋はキジハタが産卵明けで活発にエサを追う時期です。キジハタは初夏に産卵を行い体力を消耗しますが、秋になると体力回復のために盛んに捕食する「荒食い」の状態になります。夏の間に水温が上がり過ぎて一時的に活性が落ちることもありますが、秋口には水温が適度に安定し再び活発化します。産卵後の個体が体力を取り戻そうと岸近くまでエサを求めて接岸するため、秋は岸釣りで狙える絶好のタイミングとなるのです。
さらに、秋は水温や潮の動きが安定し釣果が出やすい季節でもあります。真夏は海水温が高すぎたり日中の暑さで魚の動きが鈍る傾向がありますが、秋になると気温・水温が落ち着き魚にとって過ごしやすい環境になります。特に9~10月の初秋シーズンは海水温が25℃前後とキジハタに適した水温帯になり、活性が上がりやすいと言われます。ちなみに関西の岸釣りシーズンは地域差はありますが6月~11月頃までとされ、真夏を挟んで9~10月が特に好調です。盛夏の8月は水温上昇で一時的に食い渋ることもありますが、秋に入れば再びチャンスが増えるでしょう。潮汐も大潮・小潮問わず安定しており、極端に釣りづらい状況が少ないため初心者でも釣果を出しやすいでしょう。
そして大型個体が浅場に寄るため、堤防や磯からもチャンスがあることも秋の魅力です。夏場は深場にいた大きめのキジハタも、ベイトフィッシュ(小魚)が岸際に増える秋にはそれを追って浅場に現れることがあります。例えば朝夕のマズメ時には、今まで姿を見せなかった良型が突然ヒットすることも珍しくありません。ボートや沖磯でなくても、身近な防波堤やゴロタ場から十分に狙えるのが秋シーズンの嬉しい点です。初心者でも釣りやすい季節だからこそ、このチャンスを逃さずキジハタ攻略に挑戦しましょう。
秋の関西でキジハタが狙える人気ポイント
関西エリアには秋にキジハタを狙える好ポイントが数多く存在します。ここでは、その中でも実績があり初心者にも比較的狙いやすい代表的なスポットを地域別に紹介します。
淡路島(洲本港・仮屋漁港)
淡路島は関西屈指の釣り天国で、キジハタの実績も豊富です。中でも洲本港と仮屋漁港周辺は、水深や地形が多様でキジハタ狙いに人気のポイントです。洲本港は淡路島の中央部に位置する大型港で、港内には捨て石やテトラ帯があり、小型から中型のキジハタがコンスタントに釣れています。足場が比較的安定していてアクセスしやすい防波堤も多いため、初心者でも挑戦しやすいでしょう。沖向きの波止の先端付近や岸壁沿いの沈み根周りを丁寧に探れば、ガシラ(カサゴ)混じりでヒットが期待できます。
仮屋漁港は淡路島東岸に位置し、こちらも根魚全般の好釣り場として知られます。港の外側には岩礁帯が点在し、潮通しの良いエリアではキジハタの潜むポイントが豊富です。夕方から夜にかけて常夜灯周りにベイトが集まると、それを狙ってキジハタが回遊してくることがあります。サイズは20~30cm級が主体ですが、数釣りも狙えるため初心者にとっては手堅く楽しめるスポットと言えます。まずは実績十分な淡路島の港で、キジハタ独特の力強い引きを味わってみましょう。
和歌山(加太・串本周辺)
和歌山県にはキジハタが狙える好ポイントが数多く点在していますが、特に有名なのが加太(かだ)と串本エリアです。和歌山北部の加太周辺は大阪湾の出口に位置し、水質がクリアでルアーフィッシングとの相性が抜群です。加太港の周辺は浅場に沈み根や敷石があり、足元でもヒットが期待できます。朝夕のマズメ時や夜間には常夜灯下に小魚が集まり、それを追ってキジハタが回遊してくる光景もしばしば見られます。港内は浅めですが、外向きの大波止先端付近では水深があり潮の変化も出るため良型の実績もあります。なお、潮の流れが速い日もあるため、シンカーは普段より重め(20g前後)を用意しておくと安心です。人気ポイントゆえ釣り人も多いですが、マナーを守って釣り座を確保し、安全に楽しみましょう。
一方、和歌山南部の串本周辺は太平洋に面した屈指の好漁場です。黒潮の影響で年間を通じ水温が高めで透明度が高く、南国に近い多彩な魚種が生息します。磯場や漁港周りにはサンゴや岩礁が広がり、キジハタも豊富です。水が澄んでいる分ルアーへの反応が良く、明るいカラーのワームやアピール力の高いルアーで積極的に狙うのがおすすめです。串本エリアでは30cmオーバーの良型報告も珍しくなく、秋には一発大物のチャンスも期待できます。足場に自信があれば磯場から、初心者なら漁港の堤防から、和歌山の豊かな海でキジハタを狙ってみましょう。
兵庫(明石周辺・家島諸島)
兵庫県でキジハタと言えば、瀬戸内海側の明石周辺と離島エリアの家島諸島が注目ポイントです。明石海峡周辺は潮通しが非常に良く、多種多様な魚の宝庫として知られます。激流エリアではありますが、その分ベイトフィッシュの回遊も多く、キジハタも大型が狙えるエリアです。明石港周辺や播磨方面の防波堤では、夕マズメに40cm級がヒットした例もあり、侮れません。潮の流れが速いので上級者向きとも言われますが、釣行の際は潮止まりを狙う、重めのシンカーを使うなど工夫すれば初心者にも十分チャンスはあります。
もう一つの狙い目が家島諸島です。家島は姫路沖に点在する離島群で、渡船(連絡船)を利用して渡ることができます。島周辺の波止や磯場は手付かずのポイントが多く、「根魚パラダイス」と称されるほどガシラ(カサゴ)やアコウが濃いエリアです。特に島の沖側にある波止は水深が深く、50cm近い大型アコウ(キジハタ)が上がった実績も報告されています。渡船代はかかりますが、自力でボートを出さなくても離島の好ポイントにアクセスできるのは魅力です。釣り場によっては足場が悪い場所もあるため、装備を万全にして挑みましょう。家島で釣れるキジハタはサイズも良型が多く、旅気分も味わえるので、一度遠征してみる価値ありです。
京都・舞鶴エリア
日本海側でキジハタを狙うなら、京都府北部・舞鶴エリアも外せません。舞鶴湾周辺はリアス式海岸の地形と潮流の影響で、年間を通じて根魚の魚影が濃いエリアです。秋になると水温が下がりすぎない日中でも活発に動くようになり、20cm超のキジハタがコンスタントにヒットする安定した釣果が期待できます。舞鶴港や周辺の漁港、地磯などから狙うことができ、比較的穏やかな湾内では初心者でも釣りやすいでしょう。
日本海側は瀬戸内側と比べ潮位差が大きく、干満による流れの変化も大きいですが、そのぶん潮止まり前後での時合いがはっきりと現れる傾向があります。夕まずめから夜にかけて常夜灯周りで実績があるほか、日中でも障害物周りを丹念に探れば十分にキジハタが狙えます。サイズは25~30cm級が中心ですが、中には40cm近い良型も混じるため油断できません。北風が吹くと海が荒れやすいエリアでもあるので、安全に注意しつつ秋の日本海ロックフィッシュを楽しんでみましょう。
初心者でも釣れる!キジハタの釣り方とルアー選び
キジハタは攻撃的な根魚で、正しい仕掛けとルアーを使えば初心者でも十分に釣果を狙えます。ここでは基本的なリグ(仕掛け)や定番ルアー、そして効果的なアクションのコツを紹介します。
リグの基本(テキサスリグ・フリーリグ)
岩礁帯のキジハタを狙う際には、テキサスリグやフリーリグといった根掛かり回避性能の高いリグが定番です。テキサスリグは真っ先に思い浮かぶセッティングで、弾丸型のシンカー(バレットシンカー)とオフセットフックでワームをセットします。フック先端をワームに隠すように刺すため、海底の岩や障害物に引っかかりにくく、底付近を安心して攻められます。
フリーリグは近年人気のリグで、シンカーを固定せずにラインに通すことでワームが自然にフォール(落下)するのが特徴です。着底後にシンカーとワームが分離するため、魚に違和感を与えず食わせやすいと言われます。テキサスリグ同様オフセットフックで根掛かりを回避でき、キジハタ狙いには効果的です。
初心者は7~14g程度のシンカーを基準に使うと良いでしょう。水深や潮流に合わせて重さを選びますが、浅場では7g前後、深場や潮の早い場所では10~14gといった具合です。重すぎると根掛かりしやすく、軽すぎると底が取りづらいので、その日のポイントに合った重さに調整してみてください。まずは底を確実に取れる重さで挑戦し、慣れてきたら状況に応じて微調整すると良いでしょう。
ワームの選び方
キジハタ釣りの主役となるルアーはやはりワームです。柔らかい素材のワームは魚に違和感を与えにくく、根魚ゲームでは定番中の定番となっています。特に実績が高いのがエコギア・グラスミノーMやバークレイ ガルプ!パルスワームといった製品です。グラスミノーMは小魚を模したシャッドテール系ワームで動きが良く、ガルプのパルスワームは強力な集魚剤(匂い)が練り込まれていて嗅覚でもアピールできます。いずれも全国のロックフィッシュファンから信頼されている鉄板ワームなので、迷ったらまず試してみる価値があります。
ワームの大きさは3~4インチ前後が扱いやすくおすすめです。小さすぎるとアピール不足になり、大きすぎると食い込みが悪くなるため、このくらいのサイズがキジハタには丁度良いとされています。カラー選びも重要なポイントです。キジハタ狙いでグリーン系・オレンジ系・クリアラメ系は鉄板カラーとされています。緑やオリーブ系のカラーはカニやエビ、小魚など幅広いベイトに擬態しやすく自然なアピールが可能です。オレンジやチャート系の派手色は濁りが入ったときや夕暮れ時に視認性が高く、キジハタの興味を引きやすい傾向があります。クリアにラメが入ったタイプは水質がクリアなフィールドで威力を発揮し、小魚の輝きを演出できます。フィールドの状況に応じて数色用意し、反応の良いカラーを探ってみましょう。
アクションのコツ
ワームを使ったキジハタ攻略では、アクション(操作方法)も釣果を左右する重要な要素です。基本となるのはボトム着底後のリフト&フォールです。キャストしてワームを着底させたら、ロッドを軽くあおってワームを持ち上げ(リフト)、その後ラインテンションを抜いてフォール(自然落下)させます。この一連の動作を繰り返すことで、海底付近で小魚やエビが跳ね上っては沈むような動きを演出できます。キジハタはフォール中にバイト(食いつき)してくることが多いので、ラインの動きに集中し、違和感があれば軽く聞き合わせを入れてみましょう。ヒット後は一気に岩陰に潜ろうと突っ込むため、ロッドを立てて素早く巻き取り、主導権を渡さないことも大切です。
もう一つのコツは、根際のスローリトリーブで誘うことです。キジハタは岩陰などに潜んで待ち伏せし、近くを通るエサに飛び出してくる習性があります。そのため、障害物の際や沈み根の周辺では、あえてゆっくりとワームを引いて長く見せることでバイトチャンスが生まれます。ズル引き(海底を這わせるようにゆっくり引く)やストップ&ゴーで間を作るのも有効です。活性が高い時は大きく跳ね上げるアクションでも追ってきますが、基本はゆっくり丁寧にボトム付近を探ることがキジハタ攻略の近道です。
アクション中に根掛かりしてしまった場合は、無理に引っ張らず一旦ラインを緩めてから別の角度に動かすなどして外しましょう。それでも外れない時に備えて、後述するように予備の仕掛けを用意しておくことも大切です。焦らず落ち着いて対処すれば、貴重な釣行時間を無駄にせず済みます。
釣果アップのための時間帯と潮回り
同じ場所でも、狙う時間帯や潮回りによってキジハタの反応は大きく変わります。ここでは釣果アップにつながるおすすめの時間帯と、狙い目の潮汐タイミングについて解説します。
朝マズメ・夕マズメ
**マズメ時(朝夕の薄明薄暮時)**は釣りにおけるゴールデンタイムとして知られ、キジハタも例外ではありません。朝マズメ(夜明け前後)と夕マズメ(日没前後)は、キジハタの活性が最も高くなる時間帯です。夜の間に身を潜めていた個体がエサを求めて動き出し、広範囲で捕食活動を行います。そのため、日中はピンポイントでしか反応しなかった魚も、この時間帯には遠くからルアーを追ってくることがあります。
マズメ時には比較的浅場まで大型が差してくることもあり、初心者でもヒットの確率が高まります。薄暗くなると小魚の警戒心も緩み、防波堤の際や表層近くまで逃げ回るので、キジハタがそれを追って表層付近でヒットするケースもあります。このような状況では、普段はボトム狙いのキジハタもライトショアジギングタックル(30g前後のメタルジグなどを扱えるロッド)で狙えることがあります。実際、青物狙いのジグにキジハタが食いついてきたという例も珍しくありません。朝夕のチャンスタイムは積極的に釣り場に足を運び、躊躇せずルアーを投げてみましょう。
潮止まり前後
潮汐の動きもキジハタの活性に直結します。特に潮止まり前後の時間帯は狙い目です。潮止まりとは満潮や干潮で潮の流れが一時的に緩むタイミングのことで、この前後は海中の流れが穏やかになり魚の動きが活発化しやすいと言われます。普段は強い流れを嫌って岩陰に隠れているキジハタも、潮が緩むことでエサを求めて動き回りやすくなります。釣り人にとってもルアーを操作しやすい絶好のタイミングです。
潮止まり直前~直後の短い時間帯に、ボトム付近を中心に集中的に攻めてみてください。例えば潮がピタリと止まった瞬間にリグを根の際に落とし込み、ゆっくり誘っているとガツンとアタリが出る、といったことがよくあります。特に明石海峡など潮流が速いエリアでは、この「一瞬の緩み」が貴重なチャンスタイミングになります。逆に潮が動き出して流れが強くなりすぎると釣りづらくなるため、潮見表をチェックして狙いの時間帯を逃さないようにしましょう。潮の変化を味方につけて効率よく狙えば、釣果はきっとさらに伸びることでしょう。
安全&快適に釣るための装備と注意点
秋のロックフィッシュゲームを存分に楽しむためには、安全対策と快適な装備が欠かせません。釣果も大事ですが、まずは無理なく安全に釣りができる環境を整えましょう。
- ライフジャケットの着用:堤防釣りであっても落水の危険はゼロではありません。まして磯場や足場の悪い場所では必ずライフジャケット(フローティングベスト)を着用してください。万一バランスを崩して海に転落した際の命綱になりますし、収納ポケットが多いタイプなら釣具を携行するのにも便利です。
- 滑りにくい靴(スパイクブーツ):磯やテトラポッドの上で釣る場合、足元は非常に滑りやすいです。靴底にスパイクピンが付いた磯靴や滑り止めシューズを履いて、転倒事故を未然に防ぎましょう。堤防でも雨で濡れていたり苔が生えていたりすると滑ることがあるので、靴選びには注意が必要です。
- 予備の仕掛けとワーム:根魚狙いには根掛かりがつきものです。せっかく良いポイントに入れても、仕掛けを何度もロストしてしまっては続けて攻めることができません。シンカーやフック、ワームなどの予備は多めに用意し、根掛かりでロストしてもすぐにリグを組み直せるようにしておきましょう。経済的な面でも、消耗品はまとめ買いしておくと安心です。
- 夜釣りの備え:秋とはいえ、夜間や早朝は冷え込む日もあります。夜釣りに出かける際はヘッドライトを忘れずに持参し、足元を照らせるようにします。また防寒着も用意して、体温の低下を防ぎましょう。暗い中での釣りは視界が悪く危険も伴うため、単独行動は避け、必ず複数人で行動するか人目のあるポイントを選ぶと安心です。
その他にも、天気予報や波浪情報のチェック、スマホの防水対策、周囲の釣り人や地元漁業者への配慮など、基本的なマナーと安全確認を徹底しておくことが大切です。万全の準備で臨めば、秋の釣りはきっと快適で実り多いものになるでしょう。
まとめ
秋の関西は、キジハタを狙うには最高のシーズンです。水温や魚のコンディションが整い、初心者でも岸から良型に出会えるチャンスが広がります。ポイント選び、ルアーと仕掛けの工夫、そして時間帯と潮回りの見極めさえ押さえれば、釣果アップは確実と言っても過言ではありません。
ぜひ本記事で紹介した情報を参考に、安全第一で秋のロックフィッシュゲームに挑戦してみてください。準備万端で釣り場に立てば、憧れのキジハタとの出会いが待っているはずです。その強烈な引きを味わえば、きっとロックフィッシュゲームの虜になることでしょう。存分に秋の釣りを楽しみながら、最高の一匹を手にしましょう!
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