「淡路島でのんびり投げ釣りを楽しみたい」──そんな思いを抱く方は多いでしょう。淡路島は鳴門海峡・明石海峡に挟まれた天然のフィッシュロード。潮通しが良く水が澄んでいるため、魚影が濃く初心者でも手軽に釣果を期待できます 。関西屈指の釣り天国である淡路島では、季節ごとにキス・カレイ・ハゼなど多彩な魚種が狙え、沖堤防や港内など豊富な釣り場が用意されています。筆者もこれまで淡路島各地で数多くの投げ釣りを楽しみ、数々の実績を上げてきました。この記事では淡路島の投げ釣りについて、狙える魚のシーズンと特徴、人気＆穴場ポイント、さらに必要な仕掛け・釣り方までを徹底解説します。この記事を読めば、次の休日には淡路島で投げ釣りデビューできるはずです。結論：淡路島の投げ釣りは、道具選びとポイント選定がカギです！
淡路島での投げ釣りの魅力とは？
淡路島で投げ釣りが人気の理由は、まず海域そのものの恵まれた環境です。島を取り巻く海は潮通しが良く、海水に栄養が行き渡りやすいため、プランクトン～小魚まで多くが集まります 。それを追ってアジや青物、根魚など多彩な魚が寄り、年中釣りが成り立つ*「天然の魚の通り道」*と言えます。また、水質が非常に澄んでおり、砂底～藻場～磯まで変化に富んだ地形が点在。特に波止や港湾部は常夜灯も多く、夜でも魚が集まりやすい点が釣り人に好まれています 。
淡路島で投げ釣りの主なターゲット魚はキス・カレイ・ハゼです。キス（シロギス）は砂地を好み、春〜秋に数釣りが楽しめる白身魚。風味が良く「海の女王」とも呼ばれます 。カレイは冬の寒い時期に実績が高い底物で、30～40cm級の大物も狙えます 。ハゼは夏から秋口にかけて多く、水深の浅い場所で簡単に掛かるため、子供連れや初心者にも人気の釣りものです。これらは釣り場や時期によって釣り方・仕掛けも変わるため、何を狙うかによって狙い目のシーズンやポイントが異なるのも魅力です。
さらに淡路島は初心者に向いている理由も大きいです。大きな港や堤防が整備されていて足場が安定しており、公園やトイレ・駐車場の設備もあるポイントが多く、家族連れでも安心して楽しめます 。実際、洲本港や江井漁港などの大きな港はファミリー層にも人気で、春にはメバル・アジ、小型のカレイなどが手軽に釣れています 。また、釣れる魚自体もキスやハゼといった初心者向きの魚が含まれているため、初めての投げ釣りでも釣果が出しやすいのです。
淡路島の海が釣り人に人気の理由
淡路島周辺海域は複雑な地形と強い潮流に恵まれ、魚が溜まりやすいのが特徴です 。たとえば北淡エリアの岩屋港付近は明石海峡に面し潮流が速いものの、その分栄養が豊富でアジやイワシ、サバなどの青物が集まります。淡路島の西海岸（大阪湾側）には砂泥地が広がり、キスや小型のカレイが群れをなすポイントが点在します。また南淡エリアでは鳴門海峡から吹き込む暖かい潮と淡路内海側の穏やかな海が接し、カレイの大型魚場やハゼのポイントになることが多いです。
これらの場所は水質がクリアで小魚の姿も見えることが多く、釣り場の安心感もあります 。さらに淡路島周辺は波止・護岸・沖堤防とポイントが豊富で、ポイント同士が比較的近いため、釣れ具合や天候で場所を変えやすいのも利点です。風が強い日でも風裏になる港を選べば釣行が可能で、こうした地形・潮流・水質の好条件が、釣り人に高く評価されています 。
投げ釣りで狙える主な魚種と特徴
キス（シロギス）は淡路島の春～秋を代表するターゲット魚です。砂地を好み、初心者でも数釣りが楽しめる点が魅力。大阪湾や播磨灘沿岸同様、関西では5月～10月が最盛期とされています 。キスの投げ釣りは広範囲を探れるため、キャストで群れを探る楽しみがあります。釣れるサイズは20cm前後が多いですが、状況次第では25cmを超える良型も期待でき、天ぷら・南蛮漬けなどにすると美味です 。キス釣りには細身の青イソメやチロリ（東京スナメ）のような専用餌が効果的で、キスバリ6～8号の5本針仕掛けが一般的です 。
カレイは晩秋～冬が狙い目の魚種で、淡路島でも大型個体の実績が高い冬の王者です 。特に淡路南部・福良湾内では冬季のカレイ釣りが盛んで、筏（いかだ）渡船から投げ釣りを行うと30cm以上のマコガレイやイシガレイが連発することもあります 。釣り方は底狙いの置き竿が一般的で、20号～30号級の重めのオモリと長めの仕掛けを使います。餌は強い臭いのイワイソメや青イソメを房掛けし、緩い誘い（竿を小刻みに動かす）を混ぜながら待つのが定番です 。カレイは水温低下後に岸寄りし、年末～年明けの乗っ込み時期（産卵期）も狙い目です 。
ハゼは夏～初冬（夏～秋）がもっとも簡単に釣れるターゲットです。干潟や河口付近の浅場でよく釣れ、投げ釣りの他、浮き釣りやミャク釣りでも楽しめます。夏場のちょい投げで多数釣ることができるため、家族連れにも人気。ハゼは小型ですが、天ぷらや味噌汁の具にすると絶品です。エサは青イソメやチロリが代表的。ハゼ釣りでは0号～3号程度の軽いオモリを使い、岸近くを探るちょい投げでも十分楽しめます。アタリは小さく繊細ですが、群れがいれば初心者でも簡単に数が稼げるのも特徴です。
淡路島ではこれら3魚種のほか、夏場はベラ類、アナゴ、秋口にはキビレ（チヌ）やアイナメ、河口でメバル・アジ、晩秋以降にはタチウオや太刀魚の回遊も確認されます。季節や時間帯で魚の活性は変わるため、朝夕マヅメ時や潮の動くタイミングを狙うことで釣果アップも期待できます 。
淡路島の釣りが初心者に向いているワケ
淡路島の投げ釣りは初心者向きの要素が揃っています。まず、ポイント選びがしやすいこと。洲本港・江井漁港・北淡の岩屋港など足場の良い港が多く、特に駐車場・トイレ完備のポイントは子連れでも安心です 。淡路島は郊外型の大きな港が多数あり、根掛かりの少ない砂地が広いポイントもあるため、初めてでも扱いやすい環境です。さらに、先述したとおり狙い魚の多くは浅場～中層を泳ぐものや港内に寄るものなので、投げ釣り入門にも最適です。
また地元の釣具店や釣り情報サイトも充実しており、釣果情報が手に入りやすいのも安心ポイント。人気ポイントはある程度知られているものの、まだまだ穴場も多く、釣り人が多すぎないのも利点です。少ない投資で楽しめるキス・ハゼ釣りなら、市販のちょい投げ仕掛けで手軽に始められます 。例えば、初心者向けに屋形が一体化した市販のL字テンビン仕掛け（オモリ一体型）を使えば、絡まりにくく手返しも良いのでおすすめです。淡路島の釣り場は常夜灯が点く堤防や護岸が多く、夜釣りにも明るい場所が多い点も大きな魅力。はじめての釣りでも安心して楽しめる環境が整っているのです。
投げ釣りで狙える魚とシーズン・時間帯
淡路島では魚種ごとに最適なシーズンと釣果が出やすい時間帯があります。効率よく釣果を上げるためには、それぞれの魚が活発に動く時期を狙うことが重要です。ここではメインターゲットのキス・カレイ・ハゼについて、狙い目の季節と時間帯の目安を解説します。
キス（春〜秋）｜数釣りが狙えるベストシーズン
キス釣りのベストシーズンは春～秋です 。関西では特に5月～7月に良型が多数ヒットし、夏も安定して釣れます。沸き立つように群れが寄ると、投げた仕掛けを追い食いすることもあるため、短時間で数釣りが楽しめます。朝マヅメや夕マヅメの時間帯は活性が高く、食いが良くなる傾向があります 。潮回りでは大潮や中潮の満潮前後、干潮前後が狙い目です。例えば、淡路島北部の岩屋港などでは、潮が満ちてくるタイミングで数釣りがよく見られます。
仕掛けはキスバリ6号～8号の5本針が標準で、餌はジャリメやイシゴカイ（青イソメ）など細めの虫エサが定番です 。エサの付け方はチョン掛け1cm程度でOK。時合（活性の高い時間帯）に投入すれば1回の仕掛けで複数ヒットすることもあります。釣り場としては砂浜、港湾の砂地、水深数m程度の消波ブロック周りが狙い目です。沖向けに遠投できる場所ほど大型が期待できるため、しっかり遠投できるタックルがあると有利です。
カレイ（晩秋〜冬）｜大型狙いのチャンス
カレイ狙いは晩秋～冬がピークシーズンです 。特に11月下旬～12月初旬の「乗っ込み期（産卵前）」と、産卵後の3月～4月の「花見ガレイ期」は狙い目です。淡路島南部の福良湾では、例年11～12月に大型マコガレイがヒットしやすく、3～4月には浅場にカレイが多く寄ります 。寒い時期になるとキスの釣れなくなる代わりに、フグなどのエサ取りが減り、カレイのアタリが出やすくなるのも特徴です。夜通しや早朝の寒い時間帯にも狙い目がありますが、防寒対策は必須です。
仕掛けは置き竿スタイルで、道糸～ハリスとも太めにします。オモリは25号～30号以上と重めを使用し、しっかり底を取ります。針はハリス太めで長めに取り、カレイ用の大針（15号前後）を2本掛けにします。餌は青イソメや青虫を何本も房掛けし、海底でゆったり漂わせるイメージでセットします 。潮止まり前後のピンポイントの時合いは短いので、置き竿でアタリを待つ姿勢が基本。アタリが出たらゆっくり竿を持ち上げてアワセを入れるのがコツです。
ハゼ（夏〜初冬）｜浅場で手軽に釣れる人気ターゲット
ハゼ釣りは**夏から秋口（6月～10月）**がもっとも盛んで、特に8～9月頃に数とサイズの両方が狙えます 。港内や河口の砂底～泥底を狙い、チョイ投げや電気ウキ釣りで手軽に釣ることができます 。活性の高い時間帯は朝夕マヅメに加え、日中も夏至前後は長く日が高いので夕方遅くまで釣れます。ハゼは小型の根魚の仲間で、釣れ始めは細かいアタリが出ますが、慣れればしっかりアワせて数釣りを楽しめます。
仕掛けは小型の市販ハゼ仕掛けでOKです。針は6号前後、オモリは5号～15号程度と軽いもので十分です。餌はチロリやマムシ（特にエビ系の細虫）が効果的です。ポイントは浅瀬で底の起伏が分かる場所。堤防や防波堤の湾内側、あるいは川の流入部などが良型が出やすいです。街灯などが近いポイントでは夜釣りも可能で、家族で夕涼みがてら釣りを楽しむのもおすすめです。
朝マヅメ・夕マヅメの活性と潮回りの関係
釣り人の経験則として、**朝マヅメ・夕マヅメ（夜明け前後と日没前後）**は魚の活性が特に高まる「ゴールデンタイム」と言われています 。淡路島でも、マズメ時にはキス・アジ・メバルなど多くの魚が岸近くに寄り付き、食いが立つことが多いです。薄明かりの時間帯は気温変化で魚の移動も活発になるため、投げ釣りも積極的に仕掛けを投げて探りましょう。また、昼夜を問わず潮の動き（潮回り）と釣果には深い関係があります。満潮から下げ潮、干潮から上げ潮と潮が動き出すタイミングは水中の酸素・プランクトン量が増え、魚が活発に捕食活動を行う好機とされています 。淡路島では瀬戸内側でも鳴門側でも潮流が強いため、満潮・干潮の潮止まり前後を意識して釣行するのがコツです 。夜釣りや早朝釣行では、風の影響よりも潮位変化や潮流の向きに注目すると、魚の集まりやすいタイミングが掴みやすいでしょう。
淡路島で投げ釣りが楽しめる人気＆穴場ポイント
淡路島各エリアには、それぞれ特色ある釣り場が点在しています。ここでは北淡（岩屋周辺）、中淡（洲本・江井周辺）、南淡（福良湾・伊毘・阿万周辺）の3地域に分けて、おすすめポイントを紹介します。釣りやすさ、駐車・トイレ設備、足場の良さなども併せて解説します。
北淡エリア｜岩屋港・仮屋漁港周辺
岩屋港（いわやこう） は淡路島の北端、明石海峡大橋の袂にある大型港です。船が頻繁に出入港する大きな港湾内は水深があり、アジやサバ、イワシなど青物の魚影が濃いことで知られます 。特に秋になると小魚に付いたサワラやブリが接岸する ナブラ （魚の群れが表層で暴れる現象）が観察されることもあります 。岩屋港では投げ釣りでキス・カレイ・ハゼも釣れますが、大型魚狙いなら港外の波止（岩屋一文字）からの遠投も選択肢です。駐車場・トイレが整い、常夜灯下は夜釣りにも適しています。平坦な足場で小型も多いので、初心者や家族連れにもおすすめです。
仮屋漁港（かりやぎょこう） は岩屋港の少し西にある小さな漁港で、隠れた穴場的スポットです。ノルムスノーの釣りガイドも「仮屋漁港は釣り人が少なく、隣接する森漁港や沖の波止で魚影が濃い 」と紹介しています。実際、ここでは夏から秋にかけてサビキでアジ・イワシ、小アジがよく釣れ、投げ釣りではキスやカレイもターゲットになります 。特にキス釣りは初夏～秋がシーズンで、漁港周辺の砂地で良型シロギスがヒットすることが報告されています 。港そのものはこぢんまりしていますが、防波堤が伸びているので遠投も可能。平坦で安全な護岸なのでファミリーフィッシングにも向きます。周辺は静かで釣り人が少ないため、初心者でも焦らず楽しめる穴場ポイントです。
中淡エリア｜洲本港・江井漁港
洲本港（すもとこう） は淡路島最大規模の港で、市街地に近くアクセス抜群なポイントです。駐車場・トイレ等が完備され、常夜灯もあるため一日中快適に釣りができます。ノルムスノーのレポートによれば、春はこの港内でもメバル・ガシラ・アジ・小型のカレイがよく釣れ、キスやカレイ狙いのファミリーにも人気とのこと 。広い岸壁と穏やかな水面が特徴で、足場が良いため初心者でも安心してキャストできます。夜釣りでは湾内でメバル・アジ狙いの電気ウキ釣りも盛んです。
江井漁港（えいぎょこう） は洲本市江井地区にある漁港で、背後に山が迫る風光明媚なポイントです。漁港の海底は砂地が多く、ノルムスノーが「投げ釣りが人気で、春～秋によく釣れる。砂地が多くシロギスが生息するため、投げ釣りに適した釣り場 」と紹介する通り、特にキスの実績があります。Uosoku情報によると、この港では投げ釣りでキス・カレイ、サビキ釣りでアジ・イワシ、浮き釣りでハゼが狙えるとされ、夏場はキスとハゼ、晩秋から冬にかけてはカレイ狙いも期待できます 。狭い港ですが足場は平坦で比較的安全。水深がある沖堤防側に投げれば良型キスが飛びつき、根の荒い内側ではハゼが多く釣れます。どちらも初心者に優しい魚種なので、家族連れやグループにもおすすめです。
南淡エリア｜福良湾・伊毘・阿万
福良湾（ふくらわん） は南淡路の南端、鳴門海峡にほど近い山あいの大きな湾です。湾内に複数の筏（いかだ）釣り場が設置されており、冬のカレイ釣りの名所として知られます 。例えばじゃのひれ筏釣りセンターでは冬期に渡船で筏に渡り、30～40cm級のマコガレイが連発する実績が高いです 。実際、取材では筏から投入した竿で39cm・37cm・45cmといった大物カレイが立て続けにヒットしています 。福良湾内は複雑な潮流が入り組んでおり、湾口近くの水深10～30m付近が特に深場が狙えるスポットです。防寒装備が必要ですが、冬の大型カレイ釣りを味わいたい上級者・中級者にとってはまさにカレイのパラダイスです。
伊毘漁港（いびぎょこう） は南あわじ市の西部にある小さな港で、絶景ポイントとしても知られます。伊毘川河口の砂地では夏場にキスの良型が狙え、波止の外向きでは大きな青ベラ（シロベラ・アオベラ）もヒットします。ある釣行記では、早朝にポイントを探ると20～24cmのキスがトリプルでヒットし、その後は17～23cm級の青ベラが連続ヒットする成果が報告されています 。このように、早朝の澄んだ海で大物が掛かりやすいのが伊毘の特徴です。潮の緩む朝マヅメ前後が特にアツいタイミング。釣り場は足場が狭いので安全には注意が必要ですが、人が少なく静かな環境で思わぬ大物に出会える穴場としておすすめです。
阿万海岸（あまんかいがん） は南あわじ市阿万地区の穏やかな海岸で、駐車場やトイレも整備された初心者向けポイントです。魚速報によるとこの海岸は特に春の「花見カレイ」シーズンに最適とされ、周辺の突堤や河口に浅場が多いため春先から良型カレイが狙えるとされています 。冬～春には産卵後の花見ガレイが釣れ、初冬の乗っ込み期には卵を持ったマコガレイもヒットします 。一方、夏場にはサーフキャストでキスが釣れ、岸寄りの砂地ではハゼも数釣りできるポテンシャルがあります。ライフジャケット着用を条件にする自治体施策もあり、安全に釣りができる安心感があります。家族やグループで訪れる際には、阿万海岸は大変使いやすいポイントと言えるでしょう。
風向きと潮流で選ぶポイントの見極め方
淡路島のポイント選びでは風向きと潮流を意識することが釣果を左右します。例えば強風が北風なら南面の湾内、南風なら北面の港内を狙うといった風裏（風陰）を探すのが基本です 。実際、波の高い日は風裏になる阿万海岸や福良湾内のポイントが落ち着いた釣り場になります。一方、潮流の影響も大きく、鳴門海峡や明石海峡の激流に通じる場所（岩屋港周辺や福良湾口など）は常に魚が寄りやすいエリアです。潮がぶつかる岩場の際や水深変化のある場所はプランクトンも溜まりやすく、そこに小魚・大型魚が集まります 。ノルムスノーの釣りガイドも「風向きや潮向きを考え、足元から投げられるポイントを選ぶことで釣果に差が出やすくなる」と述べています 。灯台や突堤の先端、常夜灯周りといった変化点は特に魚が寄りやすいため、風と潮を味方にして狙い目を見極めましょう 。
投げ釣りに必要なタックルと仕掛けの基本
初心者にとって「どんな道具を選べばいいかわからない」という声は多いもの。ここでは投げ釣りに必要な基本タックルと仕掛けを紹介します。
ロッドとリールの選び方
投げ釣り専用の竿は長さと号数が幅広くありますが、基準は全長4m前後とされています 。海岸や大きめの堤防から遠投するなら4.0m前後の竿が投げやすいですが、3.0～3.6m台の竿でも十分楽しめます 。初心者は携帯性のよい振出式（振出竿）で、長さ3.6m・オモリ負荷20号前後のエントリーモデルから始めると扱いやすいでしょう 。一般に竿に表示される「号数」は耐えられるオモリの目安で、例えば15号表記なら10～20号程度の錘が使えます 。使用例として、3～4m前後の竿で20号前後のオモリを装着すれば十分な飛距離が得られます 。リールは飛距離を重視する投げ釣り用のスピニングリールが主流で、番手は2000～4000番程度を使用します。糸巻き量やドラグ性能も重要なので、投げ専用モデル（例：ダイワのサーフベーシア、シマノのサーフリーダーなど）があると安心です。
ライン・オモリ・天秤の組み合わせ
道糸には一般的にPEライン（PE1.0号～1.5号程度）かナイロンライン（2.5号前後）が用いられます 。どちらも100～150mは巻いておきましょう 。PEなら細号数でも高強度なので遠投向き、ナイロンは扱いが簡単で初心者向きです 。オモリは狙い魚で使い分けます。キス・ハゼ狙いなら10～20号程度、カレイ狙いは25～30号以上の重めを使います。また**天秤（テンビン）**は根掛かりを減らす効果があり、ジェット天秤やL型天秤が一般的です。根掛かりしやすいゴロタ場ではL型、砂地や荒磯ではジェット天秤が適しています。エサと仕掛けを絡みにくくするため、仕掛けは重めの天秤と組み合わせるか、投げ釣り専用の長い仕掛けを使います。
キス・カレイ・ハゼ別おすすめ仕掛け
基本的に魚種に応じてハリ数・ハリス長を変えます。キス釣りでは5本鈎のマダイ仕掛けやキス専用仕掛けを使い、針はやや小さめ（8号前後）、ハリスは細くして元針から1.5m程度取ると遠投しやすいです 。カレイ釣りには2本鈎仕掛けが主流で、針は大きめ（15号前後）・ハリス太め（4～5号）・オモリ重めで底に沈めて待ちます 。ハゼ釣りには3～5本鈎のハゼ仕掛けを使い、針は6号前後・ハリス細め、オモリは5～10号程度の軽量で足元を狙える「ちょい投げ」が主体です。いずれも市販の投げ釣り仕掛けセットなら必要十分です 。
初心者向け市販仕掛けセット3選
投げ釣り入門には市販の仕掛けセットが便利です。例えばオーナー針のキス釣り3本鈎仕掛け、ダイワの「投げキス仕掛け」やプロマリンの「投げ仕掛け」などが代表的。これらはハリス・鈎・テンビン・オモリが一体化されており、そのままキャストするだけで使えます。上記のような簡易セットは絡みが少なく、初心者でも投げやすいのが特長です 。使い方は簡単。仕掛けをキャスト後、底を取ってから軽くリールを巻き、海底を探るように誘ってアタリを待つだけで、キスやハゼが好反応を示します。釣行に慣れてきたら、専用の多本鈎やオモリ、浮き等を組み合わせて自作仕掛けに挑戦してみましょう。
釣果アップのコツと実践テクニック
投げ釣りではわずかな工夫で釣果が大きく変わります。ここでは遠投・ちょい投げの使い分けや、エサの付け方、アタリの取り方などのテクニックを解説します。
遠投とちょい投げの使い分け
投げ釣りでは、遠くを狙う「遠投」と足元近くを狙う「ちょい投げ」を状況に応じて使い分けます。沖の砂浜や水深のあるポイントに魚がいる場合は遠投が有効で、大型の群れや根魚を狙いやすくなります。一方、防波堤付近や港内など根掛かりが気になる場所ではあえて軽いオモリでちょい投げし、手前の砂地や藻場を探ります。仕掛けの形状も使い分けがポイントです。キス狙いの遠投では25号前後の重め天秤＋3～5本鈎仕掛けが一般的で、一度に複数掛けを狙えます 。対してちょい投げでは10号前後の軽量L字天秤＋短い2～3本鈎の仕掛けが扱いやすく、根掛かりも減ります。実際、釣りガイドにも「沖を狙うなら重い仕掛けで遠投し、根周りを探るなら軽い仕掛けでちょい投げを使う」といったアドバイスが紹介されています 。
エサの種類と付け方
投げ釣りの主力エサはイソメ類です。**イシゴカイ（チロリ）**は活エサで、キス釣りでよく使われます。針に通し刺しにして薄く伸ばし、細長いまま付けるか輪っかにして付けることで魚が咥え込みやすくなります。青イソメは匂いが強くカレイ・ハゼによく効きます。カレイ釣りでは青イソメを房掛けにして餌を大きく見せ、2～3cm程度タラして底で漂わせるのが基本です 。**チロリ（東京スナメ）**はキス専用餌と呼ばれ、塩抜きして柔らかくしたものを針のフトコロにチョン掛けすると良い結果が出ることがあります。ハゼ釣りではアオイソメの1～2cmやチロリを使い、仕掛けに数匹刺して広範囲に漂わせると食いが安定します。いずれもエサは新鮮なものほど食いが良いので、クーラーで冷やしながらこまめに交換することが釣果向上につながります 。
アタリの見極め方と合わせのタイミング
投げ釣りでは「前アタリ」と呼ばれる小さなアタリを見逃さないことが重要です。例えばキスの場合、竿先に微かに伝わる魚特有のプルプルという引きを感じたら、まずは軽く糸ふけを取ってまたラインの動きを待ちます。魚が完全に餌を咥え込んだ段階で竿をスッと起こし、リールを軽く巻くように合わせます。カレイの場合はググッと重みを感じることが多いので、完全に食い込むまで竿を据え置いて待ち、食い込んだら竿を大きくあおるのが合せのタイミングです。アワセが早すぎるとバラシが増えるため、魚に餌を咥えさせて「モゾモゾ」が収まるのを待つ忍耐も必要です。いずれも常夜灯や海底の様子に集中しつつ、リールのスプールや竿先に出る変化を見逃さないようにしましょう。
根掛かりを防ぐリトリーブのコツ
投げ釣りでは根掛かりがつきものですが、釣果を伸ばすためにはできるだけロストを避ける工夫が必要です。対策としては、根が少ない砂地を狙う、ジェット天秤やスイベル付き仕掛けを使う、根掛かりポイントでは底から少し浮かせてリトリーブするなどがあります。例えばフグやヒトデに餌を取られる場合は、少し底を切ってゆっくり巻く「誘い」を入れることで回避できます。また、置き竿で待つ際は置き位置に注意。岩やコンクリートの際よりも砂地側に仕掛けが落ちるよう、投げる方向や角度を変えると良いでしょう。着底後に少しラインを張って張り出し部に落ちるよう探る「ズル引き」も有効ですが、根が予想される場所では強く引きすぎないようにしましょう。万が一本当に根掛かりしたら、ラインを切らずに落とし込み錘を使う方法もあります。
釣りを快適に楽しむためのコツと注意点
淡路島で安全かつ快適に釣りを楽しむために押さえておきたいマナー・装備をまとめます。
安全装備
陸っぱりでもライフジャケットは必須装備です 。特に海面が近い護岸には欄干が無い場所もあるため、万が一の落水に備えて子供を含めた全員が着用しましょう 。夜釣りや早朝釣行にはヘッドライトも必須で、手元を照らす赤色灯付きなら周囲の釣り人に迷惑をかけません 。また、釣った魚や飲み物・餌の鮮度を保つためクーラーボックスと氷の準備を忘れずに。氷を入れたクーラーで魚を保存すれば、釣りの帰りに釣果を美味しく味わえます。防寒具（ウインドブレーカーやレインウェア）、長靴や滑り止め付シューズも冷え込みや海上の飛沫対策に必須です 。
夜釣り・早朝釣行でのマナー
夜明け前や夜遅くの釣り場は特に静かなので、他の釣り人への配慮を怠らないようにしましょう 。明け方の釣りでは足元が暗く危険なので、事前に釣り場の危険ポイント（段差、潮位）を調べ、グローブ・ライフジャケットなど安全対策を徹底します 。ヘッドライトで足元を常に照らし、波止の端など見えにくい場所には慎重に近づきましょう。夜間の帰り道や満潮時刻にも注意が必要です。早朝に釣果が出たら、周囲が明るくなり船舶の航行が始まる前に早めに納竿する習慣をつけ、安全第一で釣りを切り上げると安心です 。
釣り禁止エリアや駐車マナーに注意
淡路島内でも「釣り禁止」や「立入禁止」区域が設定されている場所があります。堤防や離岸堤でも地元の漁協が指定した規制がある場合があるので、必ず現地の看板や行政情報を確認してください 。ゴミは必ず持ち帰り、餌や仕掛けの切れ端も散らさないようにしましょう 。また人気ポイントは駐車場が満車になることもあります。小さな漁港では漁協の了解が必要な場合もあるため、路駐せず指定の駐車スペースに止めるマナーを守りましょう。淡路島の釣り場は地域住民や地元漁業への配慮も重要です。マナーを徹底すれば、淡路島の豊かな海は長く私たちの宝物でいられるはずです 。
⑦ 釣った魚を美味しく食べよう！簡単レシピ紹介
淡路島で釣った魚は、その場で味わえば格別です。ここではキス・カレイ・ハゼを使ったシンプルで美味しい料理を紹介します。
- キスの天ぷら・南蛮漬け・塩焼き：新鮮なキスは天ぷらがおすすめです。背開きにして水気を拭き取り、軽く塩コショウしたあと薄力粉＋水の衣を付け、180℃の油で約1分揚げます 。身はふわっと軽く、頭から尾までサクサクに揚がります。天つゆや抹茶塩でどうぞ。残ったキスは南蛮漬けにもできます。小麦粉をまぶして軽く揚げたキスを、酢・醤油・砂糖の甘酢に浸すだけ。野菜と一緒に漬け込むと、日持ちしてたっぷり味わえます。塩焼きにする場合は、うろこと内臓を取ったあと背開きにし、皮目を香ばしく焼き上げるとおつまみになります。
- カレイの煮付け・唐揚げ：カレイの代表的な食べ方は煮付けです。醤油・みりん・酒・砂糖で甘辛い煮汁を作り、落し蓋をしてじっくり煮込むと身が骨からほろほろ外れます。冬の脂がのった大型カレイは特に煮付けが絶品です。また、唐揚げも定番。塩コショウして小麦粉（または片栗粉）をまぶし、油でカラッと揚げます。骨までパリパリに揚げれば骨せんべい風に、身はホクホクで子供にも人気の味になります。
- ハゼの天ぷら・骨せんべい・味噌汁：ハゼは小型なのでまるごと天ぷらにすると美味です。背開きにせずそのまま衣を付け、180℃の油でしっかり揚げましょう。身はふんわり、骨はカリッと香ばしく仕上がります。さらに、頭と骨を素揚げして「骨せんべい」にするとカルシウムたっぷりのおつまみに。ハゼを使った味噌汁も旨味が濃厚でおすすめ。ハゼの出汁が味噌とよく合い、ショウガをひとかけら入れると風味が引き立ちます。釣りたてのハゼは臭みがなく食べやすいので、ぜひ様々な料理で楽しんでください。
まとめ
この記事では、淡路島の投げ釣りで狙えるキス・カレイ・ハゼの基本情報から、季節や時間帯、狙い目のポイント、必要な仕掛け・タックル、釣果アップのコツまでを幅広く解説しました。
- ✅ 春～秋はキス、冬はカレイ、通年でハゼが狙えます 。季節ごとにターゲットを変えれば一年中投げ釣りが楽しめます。
- ✅ 岩屋港や洲本港など常夜灯や足場の良い港を選べば初心者も安心です 。波風のない日には南淡の福良湾や阿万海岸など穴場にも足を延ばしてみましょう。
- ✅ 市販の投げ釣り仕掛けでも十分釣れます 。さらに、餌（青イソメ・チロリ等）やキャスト距離・誘い方を工夫すれば釣果はもっとアップします 。
これらのポイントを参考にすれば、次の休日にも淡路島で快適に投げ釣りを楽しめるはずです。ぜひ釣り具を用意して、淡路島の絶景を背に投げ竿を振ってみてください。釣って・食べて・癒される──最高の**「島釣り時間」**を体験してみましょう！
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