釣り初心者だけど家族で海釣りを始めてみたい… そんな方にピッタリなのが「キス釣り」です。砂浜の女王とも呼ばれるシロギス(キス)は、岸から手軽に狙える人気ターゲット。初心者や子供連れでも安心して楽しめて、釣った後はおいしく食べられる魅力満点の魚です。本記事では、キスという魚の特徴から関西でのシーズン情報、初心者向けの釣り方やコツ、そしておすすめの釣り場と料理法まで、 家族みんなで楽しめるキス釣りの基本 を丁寧に解説します。この記事を読めば、週末に自信を持ってキス釣りデビューできますよ!
キスってどんな魚?初心者に人気の理由とは
キス(正式名称:シロギス)はスズキ目キス科の海水魚で、細長く銀白色に輝く美しい魚です。最大30cmほどになりますが、岸から狙えるサイズは15~20cm前後が中心。砂地の浅場を好み、小さな口でゴカイやエビなどをついばんで食べています。驚くと砂に潜る習性があり、群れで行動することが多い魚です。
初心者やファミリーにキス釣りが人気な理由 はその手軽さにあります。まず釣り場選びに困りません。砂浜や砂地の海岸沿いならどこでもポイントになり、安全な堤防や海水浴場から狙えます。足場の悪いテトラポッドに入る必要もなく、駐車場やトイレが整った場所も多いため、子供連れでも安心です。砂地なので根掛かり(仕掛けが岩に引っかかること)が少なく、仕掛けを失う心配もほとんどありません。さらに、市販のキス用仕掛けが充実していて準備が簡単なこと、重いオモリを遠投しなくても浅場で釣れることも初心者向きと言われる理由です。
そして何より、キスは釣って楽しく食べて美味しい魚です。アタリ(魚信)は「ブルブルッ」と小気味よい振動で手に伝わり、掛かると独特の引きが楽しめます。一度に2匹3匹と掛かる「連掛け」もあり、子供たちも大興奮すること間違いなしです。釣果が期待できる魚なので達成感が得られ、家族みんなで盛り上がるでしょう。しかもキスの身は癖がなく上品で、「魚嫌いでもキスの天ぷらなら好き」という人も多いほど食べやすい美味しさです。手軽さ・安全さ・美味しさを兼ね備えたキス釣りは、まさにファミリーフィッシングの入門に最適なのです。
関西のキス釣りシーズンとよく釣れる時間帯
いつの時期にキスが釣れるの? 関西では春から秋にかけて岸からのキス釣りシーズンが続きます。一般的にゴールデンウィーク前後(4~5月)から浅場で釣れ始め、夏(6~8月)に最盛期を迎えます 。特に6月頃は産卵前で活発にエサを食べるため釣りやすく、真夏の7~8月には水深1mにも満たない浅瀬まで接岸してきます 。群れの規模も大きくなり数釣りが楽しめる時期です 。9~10月の秋口も大きめのキスが狙える良いシーズンですが、水温低下とともに徐々に深場へ移動します 。11月以降は岸からは釣果が落ち、冬(12~2月)は専門のベテランが深場を狙う「越冬キス」の釣りになるため、初心者はオフシーズンと考えてよいでしょう 。
一日の中で釣れる時間帯 は、やはり 朝夕のマズメ時(薄明薄暮時) が狙い目です。夜明け前後や日没前後は、明るさが変化することで魚の警戒心が薄れ、活発にエサを追うゴールデンタイムです。実際キスも朝マズメ・夕マズメに食いが立つことが多く、初心者でもこの時間帯に当たれば釣果を上げやすいでしょう。日中でも釣れますが、真夏の炎天下よりは雲がある日や涼しい時間帯の方が活動的です。また、潮回りもチェックポイントです。一般にキスは潮が動いている時によく釣れる傾向があり、満潮前後の上げ潮~下げ始めに時合が来ることが多いです 。釣行前に潮見表を確認し、「上げ○分」「下げ○分」といったタイミングに合わせられるとベストです。
天候では、 穏やかな晴れまたは曇りの日 が向いています。強風や高波の日は砂浜釣りがやりにくく、仕掛けが流されがちなので避けましょう。特に向かい風が強いと初心者にはキャストが難しくなるため、安全面からも無理は禁物です。雨上がり直後も注意が必要です。大雨で川から淡水が流れ込んで「水潮」気味になると、フグが増えてしまいエサばかり取られることがあります。フグはハリス(ハリと道糸をつなぐ糸)も噛み切ってしまう厄介者なので、あまりにフグだらけの時は思い切って場所替えする方が賢明です。
まとめると、関西でのキス釣りは春~秋の朝夕がハイチャンス。【天気◎・潮◎・時間帯◎】が揃えば初心者でも驚くほど釣れるはずです。逆に真夏の正午など厳しい条件下では無理せず休憩し、また良い潮時を待ちましょう。自然相手の釣りでは「早起きは三文の徳」。ぜひお子さんと一緒に朝日を拝みながら、気持ちの良い海辺の空気を吸ってスタートしてみてください。
初心者におすすめの釣り方と仕掛け
キス釣りの基本スタイル は「ちょい投げ釣り」と呼ばれる手軽な投げ釣りです。難しい操作は不要で、仕掛けを軽く投げ込んでゆっくり巻くだけなので、子供や初心者にもピッタリです。ここでは道具や仕掛け選び、エサについて具体的に紹介します。
ロッド(竿)とリール
本格的な長い投げ竿がなくても大丈夫です。3m前後のコンパクトロッドやルアーロッドでも、5~15号程度(約20~60g)のオモリが投げられればOK。実際、エギングロッド(イカ釣り竿)やバスロッド、磯竿1-2号など流用できます。リールは小~中型のスピニングリールにナイロンライン3号前後を巻いておけば安心です。ファミリー向けには、初心者セットの「投げ釣りコンボ」(竿とリールのセット商品)も各社から販売されています。製品例:ダイワ「ショートスイング」、シマノ「ルアーマチック投げ」など、お手頃価格で扱いやすいモデルがおすすめです。
オモリと仕掛け
キス釣りでは天秤(テンビン)オモリか中通しオモリを使います。初心者は絡みにくい中通しオモリタイプが扱いやすいでしょう。仕掛け作りも簡単で、道糸にオモリを通してスナップ付きサルカンで止め、そこに市販のキス仕掛けを結べば完成です。市販仕掛けは針2本~3本のものが各メーカーから出ており、初心者なら扱いやすい2本針から始めると良いでしょう。例えばハヤブサやがまかつのキス用仕掛けセットには、ハリス付きのキス針と集魚ビーズなどがセットになっていて便利です。自分で針を結ぶ必要がなく、パッケージの図解通りに付けるだけなので簡単ですね。
エサ選びと付け方
キス釣りの定番エサは「イシゴカイ」(石ゴカイ)です。釣具店で1パック(¥500~¥1000程度)買えば1日十分遊べます。細長いミミズ状の虫ですが、キスが大好物で食い付きが非常に良いです。付け方は、石ゴカイを2~3cmほどの長さにちぎり、針先に刺してからたぐり寄せるようにまっすぐ針に通します(いわゆる「チョン掛け」よりもたっぷり目にエサを付けるのがポイント)。針先から少し垂れるくらいに刺せばOKです。触るのが苦手な人は釣具店でゴム手袋をもらえたりもしますよ。
もし虫エサがどうしても苦手な場合 は、疑似エサである専用ワーム(人工エサ)を使った「キッシング」という釣法もあります。例えばマルキユー「パワーイソメ」(ガルプ系ワーム)などは、見た目はゴカイそっくりですがニオイ成分が練り込まれた人工餌です。これをキス針に刺して代用できます。虫エサほどの爆発力はないものの実績は十分あり、余っても冷蔵保存できるメリットがあります。他にもオキアミ(エビ)やアサリ剥き身などで代用する例もあります。まずは石ゴカイで挑戦し、どうしてもダメなら人工エサを検討するとよいでしょう。
その他の道具
クーラーボックス(小型でOK)、仕掛けの替え、ハサミやペンチ、タオル、そして日焼け止めや帽子もお忘れなく。夏場は日差しが強いのでお子さんには帽子を被らせ、水分補給もこまめにしましょう。足元はビーチサンダルでもできますが、走り回る子供には滑りにくい靴の方が安全です。
準備が整ったら、あとはちょい投げでキスを狙うのみです。堤防や浜から数十メートル沖に向かって仕掛けを投入し(初めは力まず20~30m飛べば十分)、糸ふけを取ってからゆっくりリールを巻き始めましょう。次の章で、その具体的な釣り方のコツを見ていきます。
釣果アップのためのコツとテクニック
基本の釣り方は「投げてゆっくり巻くだけ」で簡単ですが、ちょっとしたコツを知るだけで釣果がグッとアップします。ここでは初心者向けのテクニックや、釣れない時の対処法、周囲のベテラン釣り人から学ぶポイントなどを紹介します。
ゆっくり引いてアタリを待つ
仕掛けが着底したら、リールを一定のスピードでゆっくり巻いて仕掛けを引きずります(これを「ズル引き」「サビく」と言います)。キスは海底のエサに追尾して食いつくので、この引き釣りで十分釣れます。リールを巻く速度は、砂煙がうっすら立つ程度のスローリトリーブが目安です。やがて「ブルルッ」と手元に小刻みな震え(アタリ)が伝わったら、 合わせ(竿をあおってハリ掛かりさせる動作)は不要 です。引き釣りでは、魚がエサを咥えたまま走ることで自然に針に掛かってくれます。むしろ大きく竿をあおると、エサについてきた他のキスが散ってしまいもったいないのです。アタリがあったらそのまま同じペースで巻き続け、次のアタリを待ちましょう。運が良ければ一度の投入で2匹3匹と連掛けが狙えます。複数本針の醍醐味ですね。
ストップ&ゴーで誘う
もしなかなかアタリが出ない時は、途中で一旦仕掛けを止めて数秒待つのも効果的です 。特に活性が低いときや臆病になっているときは、エサが止まった瞬間に食い込んでくることがあります。止めた後に再び巻き始めると「ググン!」と明確なアタリが出ることもあります 。このように巻きと停止を織り交ぜるテクニックで食い渋りを克服しましょう。ただし止めすぎはフグやゴンズイなど余計なものが掛かりやすくなるので注意です(仕掛けを止めっぱなしにして放置する「置き竿」は、フグにハリスを切られたりウミケムシという厄介な生物が掛かったりするので避けましょう)。
探る場所を工夫
一度投げたら仕掛けは岸近くまで引いてきてみましょう。意外にも波打ち際の駆け上がり(ブレイクライン)にキスが溜まっていることがあります。足元近くでヒットするケースもあるので油断せず手前まで探ります。また、周囲に釣り人が少なければ斜め方向にも投げてみて、横方向のポイントも探ってみましょう。投げる方向や距離を変えて、広範囲にエサを通していくイメージです。それでもアタリがない場合は、 思い切って場所移動 も大事。装備が少ないキス釣りの利点を活かし、見切りをつけて次のポイントへフットワーク軽く移動しましょう。特にファミリーの場合、子供が退屈しないよう「釣れない時間を長引かせない」工夫も必要です。近くの別の浜辺や波止に移るだけで釣れだすこともよくあるので、「ここに魚はいないのかも?」と感じたら早めに決断しましょう。事前に地図で近隣の候補地を複数チェックしておくとスムーズです。
周囲の釣り人を観察
釣り場に他のベテランらしき釣り人がいる場合は、その動きを参考にしましょう。ただし直接釣り座に近寄りすぎるのはマナー違反なので、離れた場所から観察します。例えばどのくらいの距離に投げているか、アタリが出た場所は岸から何m付近か、どんな速度で巻いているかなどをさりげなくチェックします。明らかに自分より釣果を上げている人がいれば、きっと何か理由があります。遠投しているようなら真似て少し遠くを狙ってみたり、逆に手前中心なら自分も手前重視に切り替えるなど、柔軟に対応しましょう。釣り人同士の距離感を保ちつつ挨拶して情報交換できれば理想ですが、初心者のうちはハードルが高いかもしれません。それでも周りの様子を見ることは上達への近道です。
アワセと取り込み
基本は先述の通り向こうアワセでOKですが、もし大きめのキスがヒットした際は慌てず、一定のテンションを保ってリールを巻き続けます。強引に抜き上げようとすると口切れ(魚の口が裂けてバレる)することがあるため、特に子供が竿を持っている時は「ゆっくり巻いてごらん」と声をかけてあげましょう。仕掛けを回収するときも、最後まで油断禁物です。仕掛けが空中に出る瞬間に暴れる魚もいるので、抜き上げる際は竿を少し低く構えて魚を滑らせるように浜に上げるとポロリを防げます。針が外れやすいキスですが、砂浜なら万一バレても魚が砂に落ちるだけなので、そこまで神経質にならなくても大丈夫です。
以上のコツを押さえれば、きっとキスの釣果はアップするはずです。「簡単!」と言われるキス釣りですが、狙い方や誘い方を工夫するとさらに奥深く、ゲーム性が増してきます。お父さんお母さんがコツを掴んで釣果を上げれば、お子さんも負けじと熱中してくれるでしょう。家族みんなでワイワイ作戦会議しながら、ぜひキス釣りを攻略してみてください。
関西のおすすめキス釣りポイント5選
関西エリアには家族連れに最適なキス釣りスポットが数多くあります。中でもアクセスや設備が良く、初心者に優しい場所を厳選して5つご紹介します。いずれも駐車場やトイレが近くにあり、安心してファミリーフィッシングを楽しめるポイントです。
須磨海岸(兵庫県・神戸市)
神戸市街地から近く、JR須磨駅・須磨海浜公園駅から徒歩圏という抜群のアクセスを誇る砂浜です。東西1.8kmにわたり広い砂浜が続き、夏~秋にかけてキスの魚影が非常に濃いことで知られます 。遠浅で波も穏やかな日が多く、子供と一緒に波打ち際からちょい投げでOK。海水浴場として有名なので夏季は遊泳エリア内での釣りは禁止ですが 、遊泳時間外の早朝や夕方なら問題なく楽しめます。浜には一定間隔で低い突堤(千守突堤など)があり、その先端から少し沖を狙うとさらに有利です。トイレや売店も海岸沿いに整備され、ファミリーに人気No.1のキスポイントと言えるでしょう。
二色の浜(大阪府・貝塚市)
大阪府南部に位置する二色の浜海浜公園は、遠浅の海と長い砂浜が続くファミリー定番スポット。駅(南海二色浜駅)から徒歩圏で、広大な有料駐車場も完備されています。夏場は海水浴客で賑わいますが、初夏や秋にはキス狙いの釣り客も多く訪れます。砂浜からの投げ釣りで手軽にキスが狙え、釣れないときは隣接する貝塚人工島の釣り場へ移動できるのも利点です(後述)。浜辺は足場が良く小さな子供でも安心。近くに釣具店(フィッシングマックス二色の浜店)もあるのでエサの入手も便利です。関西圏で「キスと言えば二色浜」と言われるほど有名なポイントで、一度は訪れてみたいスポットです。
片男波海岸(和歌山県・和歌山市)
和歌山市の和歌浦湾にある片男波(かたおなみ)海水浴場は、白砂青松の美しい浜と穏やかな波が魅力です。湾内ですが潮通しが良く、初夏から初秋にかけて良型キスの実績が高い釣り場として知られています。広い無料駐車場と公園施設があり、家族連れでも快適。特に 早朝の短期勝負 がカギで、日の出とともに釣り開始すれば入れ食いになることも。浜の南端には和歌川河口に面した護岸や小突堤もあり、そこから沖向き・河口向きの両方が狙えます。近隣に温泉施設や観光スポットも多いので、釣り+レジャーの一日プランにも最適です。釣ったキスを持ち帰りつつ、帰りに和歌山ラーメン…なんて楽しみも広がりますね。
洲本海岸(兵庫県・淡路島)
淡路島は「島ごとキスポイント」と言われるほどキス釣りが盛んなエリアですが、中でも洲本市周辺は初心者にも好適です。洲本市街地の海岸線(大浜海岸など)は遠浅の砂浜が続き、夏場には20cm級の良型キスも期待できます 。洲本港近くの**炬口漁港(たけのくちぎょこう)**は駐車場・公衆トイレ完備で子供や女性にも安心の釣り場です 。漁港と言ってもテトラ帯の外側は砂地になっており、ちょい投げでキスやベラが狙えます。湾奥で波も穏やかなので、小さな子供が竿を持っていても安全です。淡路島は釣具店も多く、現地で最新情報を仕入れやすいのもメリット。釣り場まで車を横付けできるポイントもあるので、ドライブがてら家族で島のキス釣りを満喫してみてください。
貝塚人工島(大阪府・貝塚市)
二色の浜公園に隣接する埋立地「貝塚人工島」は、ファミリーフィッシング向けに整備された穴場的スポットです。島内の水路沿いに一直線に延びる護岸は高い手すりが設置され、安全性が高いのが特徴 。足場も平坦なうえ、すぐ後ろが遊歩道になっているため、子供連れでも安心して竿を出せます。夏場にはこの水路で15~20cm級のキスが釣れ始め、シーズン中は好調が続きます 。狙い方はちょい投げで水路中央付近を狙えばOKで、飲み込み防止のため早めのアワセ(または置き竿にしないこと)がポイントです。敷地内に無料駐車スペースがありますが満車時は隣の二色の浜公園駐車場(有料、トイレあり)を利用できます 。夜間は島への車乗り入れが禁止なので釣行時間に注意しましょう 。キス以外にもアジやガシラ(カサゴ)などが釣れるので、子供たちにとっては何が釣れるかワクワクの釣り場です。
以上、関西でおすすめのキス釣りポイント5選をご紹介しました。いずれも家族で安心して釣りができる場所ばかりです。初めて行く釣り場では、駐車場の場所やトイレの有無を事前に調べておくと当日バタバタせずに済みます。釣り場に着いたら周囲の安全を確認しつつ、ぜひエンジョイフィッシングしてください。
釣ったキスの持ち帰り方とおすすめレシピ
家族で頑張って釣ったキス、ぜひ美味しく持ち帰って食卓を盛り上げたいですよね。最後に、キスの鮮度を保つ持ち帰り方と、子供と一緒に楽しめる簡単な調理法をご紹介します。
鮮度を保つ締め方・保存方法
キスは比較的柔らかい魚体なので、釣れた後はできるだけ早くクーラーボックスに入れて冷やしましょう。小型魚ですので、大物釣りのような本格的な活〆(活き締め)や血抜きは必須ではありません。ただ、釣ってすぐ氷締めすることで味が格段に良くなるので、氷を詰めたクーラーボックスは必携です。海水で濡らしたタオルで包んで氷に当てると冷えすぎず鮮度キープに効果的です。子供にも「釣れたお魚さんは大事に冷やして持ち帰ろうね」と教えてあげましょう。なお、とがったヒレもない魚ですが、万一フグやゴンズイなど毒のある外道が混じった場合は直接触らないよう注意してください。釣行後は、氷水でキスのぬめりや砂を軽く洗い落としてから持ち帰ると調理が楽になります。
下処理のポイント
キスはウロコが細かいので包丁の背で軽くこそげ落とします(お子さんにはウロコ飛び散りに注意させて)。頭を落とし、腹ワタを出したらよく水洗いしましょう。小ぶりなものは頭ごと唐揚げや天ぷらにもできますが、家族で食べるなら背開きにして調理すると食べやすいです。背開きは難しければお店でやってもらってもOKです。背骨から外れた開き状態にすれば小骨も気にならず、小さな子でも安心して食べられます。
おすすめレシピ
天ぷら
キス料理の定番中の定番が天ぷらです。釣りたてのキスを天ぷらにすると、そのふわふわ&ホクホクの白身に誰もが感動します。塩で素材の甘みを味わうもよし、天つゆや抹茶塩でいただくもよし。お子さんには少し冷ましてからレモンを絞ってあげるとサクサクパクパク食べてくれますよ。揚げたてのキス天は臭みも全くなく、「魚嫌いでもこれなら食べられる!」という声も多い逸品です。衣を付けるお手伝いなら子供でもできますので、一緒にキッチンに立って調理過程を楽しんでみてください。
フライ
実は天ぷら以上に子供ウケが良いのがキスのフライです。開いたキスに塩コショウをしてパン粉をまぶし、きつね色にカラッと揚げれば完成。白身魚フライの中でもキスは上品な味わいで、タルタルソースやケチャップとも相性抜群です。サクサクに揚がったフライをサンドイッチに挟んだり、カレーに添えてフィッシュフライカレーにしても絶品です。小骨が気にならないので、幼児でも「おいしい!」と笑顔になること間違いなし。衣付けの作業は子供が楽しめるので、一緒にバッター液にくぐらせたりパン粉をまぶしたりといった工程を手伝ってもらうと達成感も味わえます。
南蛮漬け
少し大量に釣れたときは南蛮漬けもおすすめです。キスを唐揚げにして、玉ねぎや人参と一緒に甘酢に漬け込めば、翌日には味がしみて絶品のおかずに。骨ごと食べられてカルシウム満点、暑い夏でもさっぱりいただけます。南蛮酢に唐辛子を入れなければ子供でも食べやすい優しい味になります。酢の物が苦手なお子さんでも、釣った魚だと思うと興味津々で箸を伸ばしてくれるかもしれませんよ。「自分で釣ったキスがおいしいおかずになった!」という体験は、きっと良い食育にもなるはずです。
この他にも、キスは塩焼きやムニエル、アヒージョなど応用範囲が広い魚です。釣りたての新鮮なキスだからこそ味わえる料理にぜひチャレンジしてみてください。子供と一緒に料理すれば食卓での会話も弾み、家族の思い出がまた一つ増えることでしょう。
まとめ
キス釣りは初心者や家族連れにうってつけの釣りです。手軽な仕掛けで安全な砂浜から狙え、釣れて嬉しく食べて美味しいという魅力がたっぷり詰まっています。関西エリアなら春から秋にかけて各地の海岸でキスが狙え、朝夕のマズメ時を中心にファミリーでも十分な釣果が期待できます。【道具の準備】【釣り方のコツ】【おすすめポイント】【料理法】と順を追って解説してきましたが、イメージは掴めましたでしょうか?難しく考えなくても、実際に海辺に立てばキス釣りの楽しさはすぐに味わえるはずです。
ぜひ次の週末は、ご家族で海岸に出かけてみてください。最初はエサ付けに戸惑うかもしれませんが、一匹目のキスが釣れた瞬間、その不安も吹き飛ぶことでしょう。釣ったキスで作る天ぷらやフライは、きっとお子さんにとって格別のごちそうになります。
このガイドを参考にぜひ関西のキス釣りを楽しんできてくださいね。皆さんの豊かなフィッシングライフを応援しています。さあ、おいしいキスを釣りに出かけましょう!
コメント